サンクチュアリ出版の従業員たちが“お気に入りの本”を紹介するコーナー。
ケータイやインターネットが普及し、好きなときに好きな情報を好きなだけゲットできるようになった世の中。「わざわざ本なんて読みたくない」という人の気持ちもよくわかる。でも理屈抜きで夢中になってしまう“本”もあるはずだ。そこで、本好きだけど実は活字嫌いの従業員たちが、自らのチンケな読書歴をたどって「なんかオモロかった」本をご紹介。文学にも歴史にも政治にも疎い、そこらのニイチャンネエチャン風な読書感覚をたっぷりとご堪能あれ。
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2007,02,13, Tuesday
パパ・ユーアクレイジー ウィリアム サローヤン なんでもないのに楽しい 10歳の息子ピートの視点で、作家であるパパと過ごした長い休暇を描いた物語。作家をめざすことになったピートは、父に連れ出され、マリブの海辺にある簡素な小屋で新しい生活をはじめた。太陽や海を、貝や小石を日々眺め暮らしながら、父はときおり哲学的な質問を投げかけ、息子は感覚をもってその答に近づこうとする。彼らにとって学ぶというのは見ることだ。スープの具でも言葉のニュアンスでも、父子あらゆる角度から観察し、吟味し、話し合う。そんな知的好奇心のおもむくまま、制約のない生活の中から、ピートはこれから続くであろう長い人生の手ごたえを感じ取っていく。 教訓的なのかもしれないが、それが教訓なのかどうかわからないほど、なかなか核心に触れない会話が心地いい。また訳者である故伊丹十三氏がわざとそうしたという、まるで中学生が直訳したような文体は、読み手が大人であるということをしばし忘れさせてくれる。 生涯をかけても、肉親からすべての知恵を学び取ることはできない。時には童心に立ち返って、架空の「パパ」に素朴な悩みをぶつけてみるのもいいだろう。
| http://www.sanctuarybooks.jp/blog/book/index.php?e=44 |
| 従業員がおすすめする本 | 12:01 PM | comments (x) | trackback (1) | |
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