靴職人への旅路

そして最果ての街へ  2005年2月12日(Sat)

そして最果ての街へ
No.127 --




 本当に本当にこの距離は長かったです。


 この街に着く二日前に、それまで行動を共にしていた巡礼者達が違う街に一度寄り道してからここへ向かうと言っていて、お前はどうすると訊かれたけれど最終目的地へは一人で行くよと別ルートでゆっくりと歩き続けた。

 そしていよいよ最終日、残り約12kmをこの旅始まって以来最も遅いペースで歩き、それまで通ってきた道のりや、今後の自分の計画をゆっくりとかき混ぜながら、最果ての街に12時半に到着。そして岬までの約2kmを、早く辿り着きたいという願望と、最後の時をゆっくり楽しもうという気持ちを抑え、いつもの僕のペースで歩いた。



 この星は、この海は、この空はなんて綺麗なんだろう


 そして、人生はなんて素晴らしいんだろう


 本当に心からそう思えました。



 涙が出るような感動ではなく、それまで溜め込んでいた様々なものが僕の体からヒュッと抜け出て、さぁ新たな目的に向かってやったるかぁと、今までのものとは少し違う、ちょっとだけ余裕のある何かへと変化していくのを感じることが出来ました。


 僕はとても馬鹿な人間です。

 生活感は無いし、未だにホームレス達にはやけに挨拶されるし、可愛い女の子を見たらいつの間にかその子のお尻を追いかけてるし、計画性は全くと言っていいほど無いし、ちょっとした嬉しい出来事があっただけで、今夜はパーティだなとビールをグビグビ飲んだりしています。



 ただ、馬鹿で良かったです。



 馬鹿だからこそ、この旅を始めることが出来たわけだし、HPに書ききれない様々な泣き笑いを経験することが出来ました。





『カミーノ・デ・サンティアゴ』


 将来、必ずまたこの道を歩きます。




 全ての出会いと、全ての経験と、全ての泣き笑いを胸にこれからも馬鹿やらしてもらいます。








 おーし!! 生きるぞー!!





© sanctuary books