ペルーからの便り


* No.64 - 旧正月。

1月22日は、旧暦の正月だった。

東京にいると、すっかり忘れがち。
東京だけじゃないかな。
日本全国、全体的に忘れがち。

旧暦は、月の満ち欠けと共に在る、
海の満ち干きと共に在る。

西表島で暮らしていると、
本当に、生活の中に、そこにある。
これぞ暦、と思う。

新月、つまり月の全く見えない日が「旧暦の1日」
満月、つまり月がまん丸に輝く日が「旧暦の15日」

月の満ち欠け、15日のサイクル(循環)と共に、
暦がぐるぐるまわっていく。

そして、潮の満ち干きも。
新月、満月。
共に「大潮」といって、潮の干満の差が最も激しくなる。

そういうことが、
島にいると、当たり前すぎて、
わざわざ暦を確認することさえ、なくなる。

カレンダーを見て、
「そろそろ満月だな」と思うのではなく、
月を見て、
「そろそろ15日だな」
と思うのだ。

なのにやっぱり。
東京にいたら、忘れてたねー。

旧正月だということは、カレンダーで知っていたのに。
友達に「新月だね」と言われて、ハッとした。
東京にいたら、
月の満ち欠けすらわからなくなっちゃうんだなあ。
ちょっとショック。

でも、その日。
「寿」という、沖縄大好きバンドのライブにでかけ。

東京にいながら、
旧正月を祝う八重山の唄「鷲ぬ鳥節」を唄えた。
「鷲ぬ鳥節」を唄うと、
「新たな節目の始まり!」
って感じで、背筋がぴんと伸びる。

今年も(今年こそ)鷲のように、はばたくぞー。


image No.63 - シャワーの自由

自宅でシャワーを浴びる。
右手にシャワーヘッドを握り、
左手の指先から肩にかけて、
熱ーいお湯をかけていく。

幸せだなあ、と思う瞬間。

ペルーのシャワーは、
ずっと固定式だった。

高ーい天井を見上げると、
シャワーヘッドが、まるで電球のように、
そこについてる。

蛇口をひねると、
ちょろちょろちょろって、ぬるいお湯が、
頼りなさげに垂れてくる。

頭はかろうじて洗えるけれど、
腰から下には、うまくお湯があたらない。

シャワーの位置が高すぎる。
シャワーの水圧が弱すぎる。
固定式なので、どうする術も見当たらない。

つけた石鹸を洗い流せない。
体ぬるぬる。

そんなことが多かった。

ペルー人って、決して背の高い民族ではないのに、
むしろみんなちびっこなのに、
どうしてあんな高いところに、
シャワーをがっちりつけちゃうんだろう。

せめて位置が低ければ、
固定式でも、ちゃんと洗えるのに。


* No.62 - 愛する愛するイリオモテ。

西表島で一緒に暮らしていたリエが、
東京に遊びにきた。
わたしの家に泊まってる。
久しぶりに会うのに、全然違和感がない。
楽しい。

去年、西表島を共に縦断した友達が、
千葉の実家に帰ってきている。
明日の昼に会う約束した。
お互いどれだけ成長してるだろう。
楽しみ。

2年前、西表島で出会い、
永遠に会えなくなり、
でも永遠に側にいる友達がいる。
彼のご両親が、今晩家に招いてくれてる。
リエと一緒に訪れる。
この2年間のいろんな空気を思い出す家。
いっぱい深呼吸をしてこよう。

去年の春に西表島を卒業して、
夏には長野まで会いに行った、
愛するツヤが、今月末に西表島を訪れるという。

昨日、西表島の友達に電話をした。
懐かしい声がいくつも聞こえてきて、
頭の中が、興奮するのと落ち着くのを
両方いっぺんに感じた。

わたしの周りのあらゆる空気が
西表島の匂いで満たされてきた。

9月に島を出てから4ヶ月間、
常に想い焦がれていた西表島が、
いよいよわたしを呼んでくれてる。

来週行こう。

時が満ちてる。
愛する西表を、思う存分愛してこよう。
そして、でっかい愛に包まれますように。


* No.61 - うーん。

2ヶ月前、ペルーで財布をなくした。

中に入っていたのは、
3日分の現金(USドル)、
運転免許証、
銀行のカード、
クレジットカード、
郵便局のカード、
日本円。

まぁ、なくしちまったもんは仕方ない。

国際電話でカードを止めて、
さほど気にせず、旅を続行。

何の問題もなく、旅は終わった。
(成田空港から自宅に帰る日本円がなくて、
ちょっとどっきりしたけど)

けどさ。
今になって、めんどくさいねー。

止めたカードを再開しようと、
銀行に行けば、
「住所の確認できる身分証明書」
って言われるし。

運転免許証は、一緒になくしたっちゅうねん。
健康保険証は、沖縄の住所だから確認にならないんだって。
(銀行の届出は、東京の実家の住所なので)

で、銀行のカードを再発行するため、
先に運転免許証を再発行しようと思ったら、
わたし、免許の届出を沖縄の住所に変更してなかった。

住民票も、健康保険証も、沖縄の住所だから、
こっちも「証明」するものがない。

住所変更からやらなくちゃ。

ていうか、
運転免許証を沖縄の住所に変更しちゃったら、
今度こそ、わたしの東京の住所を証明してくれるものは
なくなっちゃう。

銀行のカード、再開できないのでは?

まさかそんなことはないと思いつつ、
「じゃあ、どうすんのよ」
って自分に聞いても、答えのみつけられないわたし。


* No.60 - お腹ふくれた。

「ペルーで、お腹はこわさなかった?」
と、ときどき聞かれる。

こわしたよ、何回か。

でもね、普通と違う。
「下す」の反対。

腹がふくれて、破裂寸前。
気分は、ストロー突っ込まれたウシガエル。

げっぷが止まらなくて、
胸よりお腹が出てた。
(それはいつもと変わんないかー)

「げっぷ」って、大抵その直前に食べたものの
ニオイがするでしょ。
だけど、このときのげっぷは違う。

シュワシュワシュワーって、
炭酸ソーダみたいな、げっぷが出まくり。

苦しくて苦しくて、
うんうん唸りながら眠ると、
翌朝には治ってるんだけどね。
あー、丈夫なわたしでよかった。

原因は不明。

でも、まみぞう予測によると、
原因は「常温保存の乳製品」

ペルーって「飲むヨーグルト」が人気あるみたいで、
いっぱい売ってるんだけど、
ほとんどが常温で何日も置いてあるっぽい。

ヨーグルト大好きまみぞうは、
つい買って飲んでしまうんだけど、
あいつらはきっと、
保存料がたっぷり入ってる上に、
お腹の中で発酵しちゃうんだな。

だって、最後の方、
飲むのをやめたら、
お腹こわさなくなったもん。



  [ past 5 ]



© sanctuary books