雨宮処凛(著) すごい生き方 公式ページ

本の紹介

元リストカッターの雨宮処凜が
いま生きづらい人に、新しい生き方をしめす1冊。


「すごい生き方」
著:雨宮処凛
絶賛発売中!

定価:1300円+税
発行・発売/サンクチュアリ出版

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プレカリアートの企みのために
 この前の「機動隊と衝突してきました」があまりにもバカ丸出しの軽薄だったため、削除しました。かなりの勢いで誤解を与えるものだったので、皆さん一刻も早く忘れて下さい。フリーターメーデーをする人達は機動隊と衝突したいわけでも暴動を起こしたいわけでもなく、今の非正規雇用者たちがどれほど過酷な現場で働かされているかを訴えている方々です。さて、プレカリアートについて、ちゃんと書いておきたくて、ある雑誌に書くつもりですが、とてもそっちでは枚数が足りないので、こちらに思いの丈を書いたものを。

 この間、フリーターメーデーに参加してきた。
 ある掲示板にあった「プレカリアートの企みのために」という集会とデモを知らせる文章に、私の胸は高鳴った。
「自由と生存のメーデー06 プレカリアートの企みのために」。呼びかけは「フリーター全般労組」。「プレカリアート」とは「Precario(不安定な)」と「Proletariato(プロレタリアート)」の造語らしい。03年、イタリアの街路に落書きされたこの言葉は、世界の不安定なプロレタリアートたちに広まったと注釈があった。
 今やフリーターは200万人を超え、パートや派遣、契約を含む非正規雇用者は1500万人を超える。フリーターの平均年収は百万円代で、二十代、三十代が多い。現在三十一歳の私は高校卒業後予備校生を経てフリーターになり、なったと同時に時給はどんどん下がり始めるという不況に直面した。仕事は誰にでもできるつまらないもので、単純作業をすればするほど自己否定に繋がっていくという悪循環。しかし社会が私に必要としているのはそんなものだけで、それに疑問を持ったところで「お前の代わりはいくらでもいる」とばかりにクビになる。私自身、フリーター時代に何度も自殺を図っているが、そのこととフリーターという立ち位置は決して無関係ではないことは何度か書いてきた。不安定な生活は不安定な心を生み、社会から必要とされていないという気持ちは簡単に自己否定に繋がる。誰にでもできることしかできない自分にどうやってプライドを持てばいいのかそもそもわからない。そしてそんなフリーター生活を一、二年も続けてしまうともう社会への入り口はきっちりとガードされていてフリーターから抜け出す道などないのだ。
 そんな経緯を経た私にとって、「プレカリアート」という言葉は、自分がずっと追い続けてきた若者の「生きづらさ」の問題、そしてフリーター、ニート、ひきこもりといった現象の大きなヒントを見つけた気がした。
 そしてもうひとつ。私自身、過労自殺などを「自殺のコスト」で取り上げてきたが、数年前、実際に自らの兄弟が過労死と隣り合わせの過酷な職場で働かされるという経験をした。十五時間を平気で超える長時間労働、食事も取らせないほどの多忙、なんとかチーフという名前だけの肩書きにさせて労働基準法から守られないようにするという巧妙な企業のやり方は本当に腹立たしく、労基署や弁護士などに家族が相談したものの、まったくもって全然一切どうにもならなかった。結局、兄弟はその職場を辞めた。兄弟の枕元にあった五個の目覚まし時計を思い出すたびに、なぜただ普通に働いて生きていくことがこんなにも困難になってしまったのか、背筋がぞっとする思いがする。ちなみにその会社はそんなやり方で社員を安い賃金でボロボロにして使い捨て、この不況時に株価を数倍にするという快挙を成し遂げた。
 私自身、生きづらさと闘い自殺者という犠牲者を出しながら生きている日々は戦場だと書いてきたが、今は特に生きづらくなくたって「普通に働く」ことそのものが、これほど困難になっているのだ。
「未来なく不安定な状況を自分のせいにされ、頭と体と感情をすり減らして働かされる日々はもういらない」。当日の集会で配られたチラシにはそう書いてあった。私には日々、読者から就職できなくて死にたいとか、フリーターで将来が不安で生きていたくないとか、そんな声が寄せられる。だけど、このチラシにある通り、本当にそれはその人だけのせいなんかではないのだ。それを勝手に自分の責任と言われ、背後に潜む問題に目を背け続けることがどれほど愚かなことなのか、彼らの親の世代は理解していない。だって彼らの時代は「頑張ればなんとかなる」という言葉がまだ機能していたのだろうから。
 世代論はあまり好きではないけれど、私は自分の世代を社会や多くのものから見捨てられた世代のように感じている。私が社会に出た頃、既に不況で、安く使い捨てられるフリーターはもてはやされ、何のスキルも身につけられないまま多くは三十代になっていた。私が二十歳の頃、ともにフリーターをしていた人々は今も変わらずフリーターのままだ。少なくとも正社員になった人も自分で事業を立ち上げた人も株で儲けた人もいない。それを今さらフリーター問題に仕立て上げ、学校ではフリーターにならないような教育が行われている。じゃあ、私たちの世代はどうなる? いつも思ってきた。今現在フリーターをしている人々を救済するようなものはない。このままフリーターは放置され続けることに黙っているのだろうか。そしてそれは放置していい問題なのか。そう思っていた矢先に今回の集会とデモだ。
「賃金を上げろ! 」「職を寄越せ! 」「マトモに暮らせる金と保証を寄越せ! 」「月十二万でどうやって生きてけるんだよ! 」「俺たちは食えてないぞ! 」「サービス残業なんてしないぞ!」「低賃金・長時間労働を撤廃しろ! 」
 働くことそのものがマトモに機能していない現在、そんな当たり前の生存権を叫ぶデモ隊を機動隊が囲み、暴力的に排除しようとする。もちろん、申請をし、許可を取っているデモだ。それなのにデモ隊の両側にぎっしり機動隊と警察官が立ち、突然体当たりし、わざとデモ隊を混乱に陥れる。混乱の中、三人が逮捕され、サウンドカーも勝手に持っていかれた。もちろんデモ隊の人たちが暴力を振るったわけでも暴れていたわけでもない。ただ当たり前の生存権を主張しただけで今の日本では逮捕される。
 数年前、戦時中のイラクに行った知人から聞いた話を思い出した。イラクでは連日デモをやっていて、そのデモ隊のイラク人が叫んでいたのは「メシを寄越せ」「仕事を寄越せ」「住むところを寄越せ」という最低限の生存に関わる要求だったという。イラクでは当たり前に生きさせろと叫ぶことで最悪射殺され、日本では同じ要求をすると逮捕される。そんな日本は「平和」なはずで、だけどもう既に「選別」は始まっているのだと感じた。
 しかし、多くの人々はそんな状況に黙ってはいないだろう。「プレカリアート」という言葉を与えられたことで、多くの非正規で働く人々は何か胸に響くものがあったはずだ。多くのプレカリアートが自らの当たり前の権利を主張し、それが大きな共感を呼ぶ日はそんなに遠くないことに思えて、私は今からわくわくしている。

私がデモに参加した日(4月30日)の弾圧についてなどです。興味のある方はぜひ。
http://mayday2006.jugem.jp/



| 「すごい生き方」 | 11:12 PM | trackback (5) |
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