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Twitterで生き残る! 個人力の高め方/リーマンサバイバー×キャリ捨て人

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サラリーマンもフリーランスも経営者も、これからの時代に必要なのは「個人」の力。やりたいことをして生き抜くには、Twitterによる自身のブランド戦略が効果的だった! 超大手外資系企業を辞め起業しようとしている二人が説く、個人の生存戦略とは?

なぜキャリアを捨てるのか?

最短出世する一方で、仕事を心から楽しめない日々

キャリ捨て人
私は人前に立っても緊張しません。緊張するのは、自分をよく見せようと思うから。ビジネスでは「仕事ができると思われたい」、デートでは「素敵に見られたい」……。でも、取り繕うとバレます。とくに自分より優秀な人には。つまり、本当の自分以上の評価は得られない、よく見せる行為には意味がないということです。
よく見せようと思って緊張するあまり、本当の自分の魅力が伝わらなかったり誤解されたりするのは、とてももったいないこと。合わない人は合わないで仕方ない
だから私は、いつもありのままの自分でいるようにしていますし、みなさんにもそのままの自分で凛としていてほしいと思っています。

私は、業界で世界No.1の外資系企業に勤めています。通常18〜20年かかる出世ルートを7年で突破した世間でいうエリートですが、今年の3月末で会社を辞め、同じ会社の同期のリーマンサバイバーと一緒に起業する予定です。よく聞かれるのが、なぜキャリアを捨てるのかということ。

「捨てる」理由と実際に「捨てられた」理由は少し違いますが、「捨てる」理由は、私が私という人間をよく理解していたから。私は幼少期から物事を言語化する習慣があり、自分がなにに喜んで、なにをしたくて、なにが嫌いで、なにをしたくないか、よくわかっていました。だから、今の会社で管理職手前まできて、やりたくないことが増えたという現実を理解せざるを得なかった。その現実の前では、キャリアや年収など大きな問題ではなかったんです。

ただ、すぐに動くことはできませんでした。「いつか辞める」という目標は持っても、目の前には激務があり、辞めたあとのことを具体的に考える余裕もなかった。人間にとって環境を変えることは基本的にストレスですから、私も去年は逆流性食道炎になるなど散々でした。いよいよ「やりたくない」が限界にきてしまってからは、経営者50〜60人、それ以外の人にも100人くらい会い、ひたすら話を聞いてこれからの自分をイメージしていました。
そんななか、「会社を辞めてなにかやりたい」と声をかけてきたのが、同期のリーマンサバイバー。やりたいことは漠然としているのに、毎日電話をかけてきては「起業してぇなぁ」と一方的に語ってくる。その熱量にほだされて、理屈っぽいはずの私はいつしか彼との起業を具体的に考えるようになりました。
だから、私がキャリアを最終的に「捨てられた」理由は、彼なんです。環境を用意されれば力を発揮できるけれど、自分からなかなか動けない私には、彼のような情熱的な人が必要なのだと実感しました。

「選択できる人生」を歩むために起業を決意

リーマンサバイバー
僕からは「なぜ起業しようと思ったか」「起業してなにをしたいか」「なぜTwitterを始めたか」についてお話ししたいと思います。

まず起業の経緯から。これからキャリくん(キャリ捨て人)と、Twitterで知り合ったもうひとりと、3人で会社を立ち上げる予定です。僕は会社を辞めて起業しますが、起業やフリーランスが正しくてサラリーマンがダメとはまったく思っていません。自分のありたい姿と手段がリンクしている状態が正解。僕はありたい姿になるための手段として起業を選びました。

僕のありたい姿とは、選択できる人生を歩むこと。僕の祖父はバリバリの起業家で、運転手つきのロールス・ロイスに乗ったり、自分でもキャデラックを乗りまわしたり、子どもの頃から「かっこいいなぁ」と思って見ていました。
そんな祖父のように選択する力をつけたいと思っていたのですが、自分のサラリーマン人生を振り返るとそうはいかなかった。東京で働きたかったのに初任地は地方、私服がよかったのにスーツがマスト(笑)。仕事に本気になりたいのに全力が出せず、出世する同期を横目に命を削っているような感覚で働いてきました。

起業を決意してからも、なにをするかで2〜3年もがきました。プログラミングスクールに通っては、今から技術を身につけたところで天才には勝てないとあきらめたり、自分で考えたサービスをプログラマにつくってもらおうとしたものの、ビジョンが壮大すぎて挫折したり。情報商材に200万円くらいは費やしたと思います。

その頃に始めたのがTwitter。当初はTwitterでマネタイズしようとは考えておらず、起業後に情報発信できる媒体があったらいいなという思いで、サラリーマンの悩みや学びなどを発信していました。
Twitterの有料コンサルを始めようと思ったのは、『1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法』(クリス・ギレボー著/本田直之監訳/飛鳥新社)を読んだのがきっかけ。ネットの力を使って自分の強みをマネタイズした事例が紹介されていて、「俺、Twitter得意じゃん!」と思い立ったんです。
コピーライティングやDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の勉強をしていざ始めてみたら、けっこう売れました。単価が低かったのでそれほどの収入にはならなかったものの、給料以外の収入を自力で得られたという経験は自信になりましたね。

そんなときにキャリくんから電話が。忘れもしない去年の夏、「最短で出世が決まった」という報告を受けてむちゃくちゃ悔しい思いをしました。それで、僕は僕でTwitterを教えることをガチでやろうと思い、無料コンサルをスタート。予想以上にたくさんの応募をいただき、急いでキャリくんに相談して二人でコンサルを始めることになったんです。
ある日、彼が言いました。「これってもう起業なんじゃない? 世の中に困りごとがあって、僕らには解決する力がある。それを使って解決している今の状態は、すでに起業といえるんじゃない?」
起業はまだ先だと思っていた僕は、その言葉を聞いて驚いたし、自信がつきました。彼となら起業の夢を実現できると確信し、一緒にビジネスをしたいと改めて思ったんです。

僕たちのTwitterコンサルの真のねらいは「個を強くする」こと。フリーランスや起業家だけでなく、サラリーマンも結局は「個人」。会社に頼らず生き抜いていこうと思うなら個人のブランディングが不可欠です。
僕自身、Twitterをやっていなければみなさんにお会いできなかったし、キャリくんと一緒に起業することもなかった。SNSで発信することでこんなに人が集まってくれるのはすごいこと。自分の旗を立てることがいかに重要かがわかります。

自分のありたい姿と手段をリンクさせることが大事と言いました。ありたい姿に近づくためにオンラインの力が必要ならガンガンやったほうがいいです。
熱狂している人は大勢の人を巻き込み、味方をつくる力を持っています。やり方がわからなければ、いろんな成功パターンの引き出しを持っている僕たちにぜひ聞いてください。

Twitterコンサルティング実演

重要なのはテクニックよりも「お前は何者?」

キャリ捨て人
去年の9月頃にリーマンくんからTwitterを教えられたとき、正直「なんでこれをやらなきゃいけないんだ、遊びじゃないんだぞ」と思っていました。でも、アカウントを20くらいつくってPDCAをまわしながら成功パターンを導き出し、今年の1月から「キャリ捨て人」のアカウントをスタートさせたら、開始1カ月でフォロワーは2400人以上に。4月に立ち上げる会社の商談アポイントも、すでにTwitter経由で10件くらい獲得していて、SNSの力を実感せざるを得ません。

Twitterでブランディングを図る際、ライティングなどのテクニックより重要なのは「お前は何者だ?」ということ。個人の魂の中身を顕在化させたうえでテクニックを教えていく、コーチングビジネスに近いような方法でコンサルティングしていきます。
今日は参加者の中からお二人に対し、基礎中の基礎であるプロフィールの書き方を中心に公開Twitterコンサルティングをさせていただきます。

プロフィールを書くコツ①:好きなことを単に羅列しない

キャリ捨て人
Twitterでフォロワーを増やすことは大事ですが、増やす目的を明確にすることがより大事になってきます。単に増やすだけであればリツイートをしまくればいいですが、「どんな人に」「なぜ」フォローしてもらいたいかを考えて実践することで、エンゲージメントの高いフォロワーが増えます。フォロワーは魂の連結。「どんな友達がほしいか」「どんな人と仕事したいか」といった、リアルな場での人付き合いと変わりません。

Aさんのプロフィールは、経歴のあとに好きなミュージシャンなどが羅列されていますが、趣味の情報を発信するアカウントでないのであれば、いらないかもしれません。趣味の羅列はプロフィールあるあるですが、書けば書くほど分散されるので、書くならひとつに絞って「世界一の○○好き」のように尖らせたほうがいいです。趣味のための別アカウントをつくるのもいいでしょう。
あと、ハッシュタグをつけすぎているプロフィールもよく見かけますが、よほどマーケティングを勉強していないと無意味な場合が多いです。

Aさんのように、これまでの経歴を→で書くのはいいと思います。人となりがわかって親近感が湧きますよね。ただ、単に羅列するのではなく、そこから「どんな人となりを伝えたいのか」を明確にしなければいけません。たとえば「元ブラック企業勤務。その経験から、苦手な上司との向き合い方を発信しています」と書くと説得力があり、経歴を書く意味が生まれます。

プロフィールを書くコツ②:根拠を伝える

キャリ捨て人
とても誠実そうな外見のBさんですが、プロフィールがちょっと怪しい。経歴のあとに「将来が不安で悩んでいる方、気軽にDMください。100%返信します」と書いてありますが、Bさんがなぜその悩みを解決できるのかがどこにも書かれていないからです。「絶対儲かります」という怪しい広告と同じですよね。

ご本人からお話を伺うと、もともとスポーツの名門校でプレーしていて、とくに目標を持たずなんとなく大手企業に入社。でも自分と環境とのギャップに苦しみ、大手から飛び出してベンチャーに転職されたそう。Bさんが悩み相談に乗れる理由は、その葛藤やチャレンジがあったからなのに、経歴の羅列だけではわかりません。

大手から飛び出せた理由、大手のネームバリューを捨てた者にしか見えない世界などを言語化することで、「大手に転職したいと思っていたけどそれでいいのか」「大手を辞めたいけど踏ん切りがつかない」といった悩みを持つ人は相談しやすくなります。
ちなみに、プロフィールは160文字までなので、固定ツイートでプロフィールを捕捉するというテクニックもあります。

最後に

ありのままの自分に共感してくれる人と出会う

キャリ捨て人
Twitterを見ていると、「誇張しすぎているな」とか「嫌われたくないんだな」と思うことがよくあります。でも、私たちはみんなに好かれるために生きているわけではありません。「みんな違ってみんないい」という言葉がありますが、誰にでも必ず役割があり、その人にしか救えない人や勇気づけられない人は絶対にいます。リーマンくんのように自分の信念を持っている人を見て、改めてそう思いました。

私は、共感してもらうためのツイートはしません。ありのままの自分でツイートして、それに共感してくれる人が集まってくれればそれでいい。自分を表明して生きていると批判がくることもありますが、それ以上に味方が増えます。だからまずは「私はこういう人間だ」と表明することが大事だと思います。

リーマンサバイバー
僕はサッポロビールのキャッチコピー「丸くなるな、星になれ。」が大好き。大人になって丸くなるのはひとつのあり方ですが、僕は尖らせていきたい。自分の可能性をあきらめたくないと思っています。
この世に用意された正解はありません。自分の選択を正解にしていく行為が大事です。「会社を辞めてもったいない」といろんな人に言われますが、僕はこの選択を正解にするために、新しい世界でサバイブしていきます。

(画像提供:iStock.com/Johnce)
リーマンサバイバー

世界No1の外資系企業のサラリーマン。入社一年目で新人賞を獲得。順調にキャリアを歩むも、この仕事の先に「在りたい自分の姿」は無いことに気付く。2019年3月末に退職し、独立予定。「在りたい自分」になるための新たな挑戦に踏み切る。有り余る情熱と行動力が武器。

キャリ捨て人

同企業にて出世街道を爆走。通常15年程かかるルートを7年で出世したエリートサラリーマン。しかし『本当に楽しい仕事とは何か?』を模索する為に、キャリアを捨てる決意。Twitterでは開始1ヶ月でフォロワー数2400人超え。あらゆる事象の言語化を得意とする。


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