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機械に雇用されない人間になるためのブロックチェーン技術入門/ミアンサミ

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近年注目を集めるブロックチェーン技術。仮想通貨の基幹技術であることは知られていますが、具体的にどんな技術なのか説明できますか? 理解していないと近い将来、機械に雇用される日が来るかも!? 個人資産10億円の元外資系ディーラーがわかりやすく解説!

なぜブロックチェーンのような技術に注目が集まっているのか

世の中の知識量は急増している!

私はアメリカのスタートアップ、へデラ・ハッシュグラフの日本代表として活動しています。へデラとは、ブロックチェーンの課題をクリアした新技術「ハッシュグラフ」を開発する会社。私は世界80人のチームの一員として、ハッシュグラフを通じた課題解決を世界の大企業に提案していますが、世界トップ5000の企業のうちの8割以上が、ハッシュグラフのような技術をいかに応用するかという研究をしています。ブロックチェーンやハッシュグラフはそれだけ注目されている技術だということ。

私たちは今人類史上、他に類を見ないチャンスの時代に生きています。具体的には、世の中の知識量が一気に激増する一歩手前にいるのです。

1900年当時、世の中の知識量は100年かかって倍増していました。それが1945年には25年にまで縮まり、1982年には毎年倍増するペースに。そして2020年には、12時間ペースで倍増する時代に突入するといわれています。つまり、明日には世の中の知識量が倍増しているということになります。

なぜそこまで増加スピードが加速するのか。その要因となるのがブロックチェーンのような技術です。人類を大幅に進化させ、私たちの生活に多大な影響を及ぼすこの技術について、今日は高校生でも理解できるようにわかりやすくお伝えします。これであなたはお金の奴隷にならずに済み、さらにはイノベーションを起こす人材にもなり得るかもしれません。

ビジネスで1000倍のリターンを得る方法

カギは「問題解決」にある

私は今、ブロックチェーン等を使って新しい技術を開発している会社と1日1社ほど話をする機会を持っています。それを通じて感じたのが、1000倍のリターンを得られるビジネスアイデアには2つの条件があるということ。

1つ目は、「超」大きな問題を解決しているかどうか。そのアイデアはどんな問題を解決するものか、そしてその問題は解決する意義のあるものか、という点を見ます。実業家のイーロン・マスク氏が「解決している問題の大きさに比例して報酬が得られる」と言っているように、問題解決の対価がリターンとなるわけです。

ちなみに、お金そのものに価値はありません。お金とは、「価値を保存する」ものであり、「価値を交換(決済)する」ものであり、「価値の度合いをはかる」もの。その本質を理解していないと、お金そのもののために必死で働く「お金の奴隷」になってしまいかねませんのでご注意を。

では、解決すべき「超」大きな問題とは、たとえばどんなことでしょうか。正解はありませんので、自由に考えてみてください。

<参加者の意見>
■不便性を感じることや、時間や労力がかかること、現状と理想の間にギャップがあること。
■自分ではできないが、不満に思っていることややりたいと思っていること。
■人を幸せにするようなこと。
■物理的・精神的な痛みを感じること。
■困っていること。
■人間の欲求が、解決すべき普遍的な課題になるのでは?

世界の「面倒くさい」をなくす

突然ですが、「時間が過ぎるのが早い」と感じるときはありませんか? 年齢を重ねると次第に時間の感覚が早まったり、あるいは楽しいことに夢中になっているとあっという間に時間が過ぎたりしますよね。

時間の感覚は、脳が情報を処理すればするほど短くなるといわれています。SNSやネットサーフィンでたくさんの情報を処理すれば、それだけ時間が早く過ぎるように感じます。時間が盗まれているともいえるかもしれません。

SNSを無料で使えるのはなぜかわかりますか? SNS運営企業にとって私たちユーザーは「お客さま」ではなく「商品」。ユーザーの情報を広告主に売ることで収益を得ているからです。SNSを使っているときに意図せず広告を見ることは、自分の情報、そして時間を意図的に盗まれているということです。

そこに着目したのが、ウェブブラウザの「Brave」。不要な広告をブロックしてブラウジング速度を速められる、すでに400万人がダウンロードしている次世代ブラウザです。広告表示を選択すれば閲覧した分だけ収益を受け取ることができたり、コンテンツ制作者に寄付をすることもでき、報酬や寄付は仮想通貨で行なわれます。この「Brave」に使われているのが、ブロックチェーンを応用した技術です。

従来の広告モデルをくつがえし、不要な広告が表示されて速度も遅くなるというユーザーにとって不利益な状況を打破した「Brave」。この考え方こそが、世の中の問題を解決する際の基本となるもの。つまり、世の中にあるフリクション(摩擦)を減らし、人々の「面倒くさい」をなくすことが、私たちの解決すべき「超」大きな問題だといえます。

大きなことを成し遂げるには、ネットワーク形成が重要

1000倍のリターンを得るためのもう1つの条件は、ネットワークが圧倒的に広がるかどうか。

ユヴァル・ノア・ハラリ氏の世界的ベストセラー「サピエンス全史」によれば、人類は7万年前に大きな進化を遂げました。人間の原型ができた200万年前から7万年前までは、人間の影響力は蟻や魚1匹の影響力と同程度だったそう。しかし、7万年前にある概念がガラッと変わったことで、人間は世界中に大きな影響を及ぼす存在になったのです。

その概念が「ネットワーク」。猿は100匹以上の群れはつくれませんが、人間は東京ドームに何万人も集まって同じアーティストを応援することができます。会ったことのない人とコラボレーションして何かを生み出すこともできます。だからこそ人間は、とてつもなく大きなことを成し遂げられるのです。

たとえば、世の中に電話が2つあるとします。二人の人間がそれぞれ電話を使って通話をすると、そこには1つの相互作用が生まれます。2つの電話だけでは影響力はあまりありませんが、電話が5つあれば10の相互作用が、電話が12あれば66の相互作用が生まれる。これを「ネットワーク効果」、あるいは「メトカーフの法則」と呼びますが、このネットワーク効果が発揮されるビジネスほど、持続的に収益を確保できるハイリターンのビジネスといえます。

ブロックチェーンの真髄

「問題解決」と「ネットワーク効果」を包括する技術

今お話しした2つのポイント、「問題解決」と「ネットワーク効果」をどちらもクリアできるもの。それがまさにブロックチェーン技術です。

ブロックチェーンやハッシュグラフは、DLT(分散型台帳)と呼ばれる技術。従来、私たちの情報は「中央管理型」で管理されていました。銀行のサーバが預金残高を管理していたり、Facebookが個人情報を管理していたり。ネットに接続する際も、Internet ExplorerやGoogle Chromeを通さなければいけませんよね。私たちは情報を管理してもらう代わりに、管理者に手数料や個人情報を提供しています。

一方でDLTは、ユーザー全員で情報を管理する「分散型」。中央管理型では、銀行やFacebookなど第三者のサーバに記録を保存することで改ざんを防ぎますが、分散型では、全員が同じ記録を保持することで改ざんを防ぎます。つまり、管理する第三者がいなくても、DLTがあれば「信用」と「仲介」の役割をセットで担えるということ。

面倒なことは、だいたい「信用」と「仲介」から生じる

問題解決とは、世の中の「面倒くさい」をなくすことだとお伝えしました。実はこの「面倒くさい」ことというのは、だいたいが「信用」と「仲介」から生じているのです。

銀行でお金をおろすには、キャッシュカードや通帳、暗証番号が必要です。これらは、銀行にお金の取引を仲介してもらうために、あなたが本人であることを証明するもの。必要に応じて手数料も払わなければなりません。物件を借りる際の猥雑な手続きも、「信用」と「仲介」から生じるものです。両者をセットで提供してくれるDLTは、世の中にある面倒なことをなくすために大いに役立ちます。

モノ同士でビジネスができるようになる

今、お金を保有できているのは人間だけですが、DLTが浸透するとどうなるでしょうか。人間でなくても価値の保存や交換ができるようになる、つまり、モノ同士でビジネスができるようになります。

たとえば自動運転のタクシーをアプリで呼ぶとします。従来のタクシーでは運転手やアプリ運営企業に料金を支払っていましたが、アプリを通じてタクシーそのものに料金を支払えるようになります。お客をたくさん乗せたタクシーはそれだけ儲かり、価値の残高が増えていく。モノ自体に価値が貯まっていくので、「モノの残高」という概念が生まれます。

モノ同士がつながると、いろんなことが楽になります。部屋の電球が切れそうになったら、電球から家主のスマホに「もうすぐ切れるよ」と連絡が行き、スマホがネットで電球を購入してくれる。冷蔵庫からレタスがなくなりそうなときは、冷蔵庫が在庫管理をして必要な分を発注してくれる。この「機械と機械が会話をして物事を進める」ことがなぜ可能になるかというと、DLTが「信用」と「仲介」を担ってくれるからなのです。

世の中にあるモノの数は計り知れません。すべての機械がネットワークに加われば、先ほどお話ししたネットワーク効果は一気に膨れ上がります。だからこそ、私たちは今、世の中の知識量が次元の違うスピードで膨張する一歩手前にいる、というわけです。

機械自体がビジネスをするようになれば、機械に雇用される人間も出てくるでしょう。一方で、その機械を雇用する側の人間も出てきます。後者の立場に立つには、ブロックチェーンハッシュグラフが及ぼす影響をきちんと理解していなければなりません。

ブロックチェーンでどんな未来を実現できるか

ブロックチェーンをはじめとするDLTの仕組みやメリットについてお伝えしました。最後に、ブロックチェーンを使ってどんな未来を実現できるか、みなさんで考えてみましょう。

<参加者の意見>
■ブランド品の真贋が明確になる
ブランド品そのものの情報をいろんな人が分散して持つことで、商品がいつどこにあっても真贋を見分けることができる。

■住所がなくなる
賃貸時の面倒な手続きが不要になるため、不動産を解放した経済特区をつくり、日ごとに好きな不動産を使えるようにする。テレビをつけた回数、トイレを流した回数などをモノ自体に記録して、光熱費などを1日単位で精算すれば、固定の住まいがなくても暮らせるようになるのでは。

■本人確認が不要になる
今は免許やパスポートなど、第三者が信用を証明して発行している書類が必要だが、指紋や目による生体認証が浸透すれば、どの国でも「私は私」と証明されるようになる。

■遊休資産を活用できる
眠っている特許を解放し、使用した分だけ価値を支払う仕組みをつくる。

■キャッシュレスになる
今は財布に現金・クレジットカード・免許証などを集約しているが、スマホにすべての情報が登録されてキャッシュレスになる。現金・株・仮想通貨・不動産など種類の異なる価値の境目がなくなり、「所持している不動産価値の○%でコーヒーを買う」といったこともできるようになるのでは。

(画像提供:iStock.com/ipopba)

ミアンサミ
著書『毎月5000円で自動的にお金が増える方法』
Amazon ベストセラー1位獲得(ウォーレン・バフェットの本)
出版1か月以内で重版決定

【肩書】
ヘデラハッシュグラフ 日本代表
株式会社エイジーエム 代表取締役

【主な資格】
証券外務員一種、二種
内部管理責任者
アソシエイト ファイナンシャルプランナー
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士
不動産証券化マスター
NLPプロフェッショナルコーチ

【経歴】
ヘデラハッシュグラフ 日本代表
株式会社エイジーエム 代表取締役
Deutsche Bank 部長
ドイツ証券 部長
Capula Investment Management Portfolio manager
Citigroup Centre, London Trader
日興シティグループ証券 Trader

1980年、東京都 品川区生まれ 
17歳から投資を始め
21歳から金融業界入り
25歳で6000億の資金を運用
28歳で太陽光事業を起業
30歳で破産寸前!!
32歳で不動産事業を始め
35歳で飲食事業をスタート
37歳で今までの培った金融知識(ファイナンシャルリテラシー)向上活動を開始

 


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